皆さん、おはようございます。
お風呂屋さんでございます。
蒸し暑い梅雨らしい日々が続いておりますが、皆さん健康で過ごして頂けていると思います。
健康って何よりの財産ですよね。
普段は健康である事が当たり前でそれに慣れているが故に有り難さに気が付かないんですよね。
今日からはお風呂屋さんが健康である事がどれだけ幸せな事なのか気付けたお話をして行こうと思います。
あの日、あの時間からお風呂屋さんに何があったのか、少しでも伝われば幸いです。
お風呂屋さんの人生で一番長かった3日間の始まりです。
令和2年6月30日 朝6時。
お風呂屋さんの寝室に朝の光が射し込みます。
目覚ましなんてセットしていなくても起きなければいけない時間に自然に身体が目覚めます。
この日もそんないつもの朝のはずでした。
目覚めると…なんか…身体に違和感があります。
吐き気でもなく、目眩でもなく…。
身体の中から何か疼く様な上手く言えない感覚…。
立てるし歩けるし…。
とりあえずお風呂に入ろう。
お風呂屋さんの朝は朝風呂から始まります。
湯船の中でぐるぐる回っていると自然と身体も覚醒して全身洗ってスッキリとした形で1日が始まるのです。
なんか変。
この感覚を抱えたまま浴槽の中で全身の感覚を整えていました。
吐き気、目眩、違う、痛み?
痛いのか。
頭もハッキリしてきて段々と判断能力も冴えてきます。
痛い。
痛いな。
どこが?
右の脇腹…より、後ろ?
右の腰部…。
痛みの場所がわかりました。
右の腰、肋骨と脇腹の間、外側ではなく、内側から響いてくる様な痛みです。
痛みの箇所は特定出来たものの、今までこの部位が痛んだ事なんてありません。
ま、すぐに治まるでしょう。
お風呂屋さんのここ最近の深夜続きの生活を考えれば疲労も出て来るんでしょう。
この時、この時点まではそう思っておりました。
が、この瞬間から痛みの自己主張が囁きから半狂乱に変わり壮大な葬送曲となってお風呂屋さんに襲い掛かって来たのです。
いだだだだだだだだだだだだだだだ!!!!!!!!!!
ななななななな…なんだこ…いだだだだだだ!!!!痛い痛い!!!痛い!!!
ヤバイ!これ、痛ッ!ごべぇっ!!!!
訳わかりません。
突然身体の中からハンマーか何かでばっかばっかブ殴られています。
おごごごごごご!!!
ここここここれは…!!!!
痛い…過ぎて!!!
思考も!!!!
まとまらない!!!!!
げべぇっ!!!!!
普通じゃない痛みが休む暇なくずーっと続きます。
普段は常に3選択肢位の思考でこっち行ったらこうなるからこっちの方で動いてみてダメだとすると原因は2選択肢前にあるからそっちを避けて…みたいな判断をして生きています。
が、今はそんな冷静な考え方とか全く不可能です。
痛い、とにかく痛い、痛みに耐える事に全神経集中している為にまともに何かを考える事が出来ません。
歯を食いしばり、うめき声や悲鳴を出さない様にするしか出来ません。
痛みが強過ぎて何も考えられないのです。
イダイイダイ痛いいだいイダイイダイ!!
み…右腰部、中、臓器!
な…なにあったっけ!?
か…肝臓!?膵臓!?
あ…あったからなんなのじゃーい!!痛…タスケ…無理ーー!!!!
こんな感じです。
痛みの箇所や原因を特定して、自分の身体に何が起きているかを判定しようとしたのですが、浴槽の中で七転八倒してる身としては全てが無駄な努力。
こんな姿のお風呂屋さんを嘲笑うかの様に延々と責め苦は続きます。
とにかくこの痛みを何とかしない限り何も出来ません。
意を決して浴槽から出ます。
いだだだだだだだ!!!!!ちょ!イ…ごべらぁっ!!!
浴槽から出た瞬間に先程の痛みが更に重化しました。
痛みの感覚が一撃一撃が風呂の中よりも超重い。
無…無理ッ!!!!!
一旦浴槽の中に避難しました。
痛みは凄まじい物がありますが、お湯の中だと幾分軽減されます。
あ、これは、あれだ。
お湯の中だと浮力の力が働いて重力負担が減るから楽になるんだ。
で、外に出ると重力をもろに浴びて痛みが増加するわけだ。
お風呂の中の痛みが10だとすると外界の痛みは12くらいだね。
わかりづらいな。
憎いぞ1G。
ふんふん。
幾分冷静になって来ました。
なって来たからと言って状況が好転するわけではありません。
むしろ悪化の一途を辿っております。
今日も朝からお風呂を運ばなければなりません。
なりませんが、お風呂を運ばなければならない人間がお風呂と一体化しているなんてなんの役にも立ちません。
何とかしなければ…。
歯を食いしばりながらまずは痛みの除去。
ここからだと判断。
大きく息をを吸い込んで一気にお風呂場から脱出。
急いで服を着ようとするも湿気が邪魔して上手く服を着れません。
全くこんな時にーーー!!
一人で発狂しながら急いでバスタオルでわちゃわちゃしてるのですが、一向に湿気が取れません。
なんなのこれー…。
地味な嫌がらせを受けている様でえらい惨めになります。
って、これ、汗か!!!
気が付きました。
ずっと、お湯の湿気だと思っていたのはお風呂屋さんから湧き出る汗だったのです。
しかもこれ、普通の汗じゃありません。
拭いても吹いても延々と流れ出て来るのです。
痛みによる脂汗ってやつでしょうか?
普段なら汗気持ち悪いー。等と女史っぽい事を言っているのですが、そんな悠長な感じじゃありません。
死活問題レベルで今現在のたうち回っているんですから。
それに、汗が出て痛みが無くなるなら安いものです。
そんな事ありませんがね。
ただ単に不快なだけです。
もう、いっそ殺して下さい…。
気力が衰えると一気に生命力を持っていかれるのですが、痛み開始早々であっさり白旗を上げました。
上げたところでどうにもならないんですが…。
真っ裸で脂汗ダラダラ出しながら病院に電話しました。
「はい、大森病院です。」
「すみません…身体が…痛く痛いげべっ…時間外ですが…痛って…良いですか…?」
「大丈夫ですか?救急車呼んだ方が…?」
一瞬それもあれかな…と、思いましたが介護の会社に救急車止まったってなっても嫌じゃないですか!
これはなんかもう、自分との闘い!
呼ばぬ!救急車は呼ばぬ!!
這ってでも逝く!
最早思考が斜め上方向に行ってます。
何と戦っているんでしょう?
「あ、大丈夫…痛い…です…大曲からなんで30分くらいかかりますが…痛…何とか宜しく…ぐべぇっ!」
この時、若干後悔はしたんですよ。あー、救急車呼べば良かったかな…。
しかし、一度呼ばないと決めたのならこのまま突き進む!
泡子に後は頼む…。
と、書き置きを残し
6時40分…お風呂屋さん病院へ出発。
続く。